○名古屋港管理組合の設立に伴う協定

名古屋港管理組合の設立に伴い、職員の身分、財産その他の事項について、愛知県、名古屋市及び名古屋港管理組合は、次の協定を締結するものとする。

第一章 職員の身分

(職員の引継)

第一条 昭和二十六年九月七日現在における愛知県名古屋港務所に勤務する愛知県(以下「県」という。)の職員並びに名古屋市中川運河管理事務所に勤務する名古屋市(以下「市」という。)の職員及び名古屋市新堀川の管理事業に直接従事する市の職員は、昭和二十六年九月八日において名古屋港管理組合(以下「組合」という。)の職員となるものとする。

2 前項の職員には、常時勤務しない者又はあらかじめ定められた在任期間若しくは雇よう期間が昭和二十六年九月八日以後二月以内である者は、含まれないものとする。

(職員の給与等)

第二条 県及び市の職員は、引継前と同一の給与で組合に引き継がれるものとする。但し、県及び市から引き継がれた職員の給与について権衡上調整を図る必要があるときは、組合管理者は、愛知県知事(以下「知事」という。)及び名古屋市長(以下「市長」という。)と協議の上、直ちに給与調整委員会を設置し、適当な措置を講ずるものとする。

(職員の退隠料等)

第三条 県若しくは市の吏員が組合の吏員となつた場合又は組合の吏員が県若しくは市の吏員となつた場合において、その者が受けることのできる退隠料、退職給与金、遺族扶助料及び死亡給与金は、最終の所属団体の規定により支給するものとする。

2 前項の吏員とは、吏員及び吏員に相当する職員をいう。以下第四条及び第五条において同様とする。

第四条 組合の吏員が退隠料及び遺族扶助料を受けることのできる在職年は、別にこれを協定する。

第五条 県若しくは市の吏員が組合の吏員となつた場合又は組合の吏員が県若しくは市の吏員となつた場合の退隠料、退職給与金、遺族扶助料及び死亡給与金の基礎となる在職年の計算については、県若しくは市の吏員としての在職年又は組合の吏員としての在職年は、同一の在職年をもつて組合又は県若しくは市の吏員として勤務したものとみなし通算する。

(職員の退職手当)

第六条 退職手当の支給方法並びに勤続期間の通算については、第三条及び第五条の規定を準用する。

第二章 財産その他の権利義務

(財産の無償貸付又は譲与)

第七条 県及び市は、次の財産を別冊により組合に無償貸付(以下「貸付」という。)又は譲与するものとする。

 昭和二十六年九月七日現在における名古屋港及び堀川の県有の港湾施設その他の財産

 昭和二十六年九月七日現在における中川運河及び新堀川の市有の港湾施設その他の財産

2 前項の財産とは、左に掲げるものをいう。

 不動産及び動産

 地上権その他これに準ずる権利

 株券その他の出資による権利

3 第一項の貸付財産の貸付期間は、組合の存続期間とする。

(債権債務の承継)

第八条 組合は、前条第一項各号の財産に関連する昭和二十六年九月七日現在における未収入金その他の債権及び未払金、公債、借入金その他の債務を、県又は市から承継するものとする。

(財産の管理)

第九条 組合は、県又は市から貸付を受けた財産を管理(維持、保存、改良をいう。)し、その費用を負担する。但し、重要な改良を加えようとするときは、県又は市と協議するものとする。

(財産の運用)

第十条 組合は、県又は市から貸付を受けた財産を、組合の目的を達成するために使用し、又は使用させることができる。

2 組合は、左に掲げる範囲において県又は市から貸付を受けた財産を更に貸し付けることができる。

 土地及び土地の定着物(建物を除く。)を貸し付ける場合は、二十年

 建物その他の財産を貸し付ける場合は、五年

3 組合は、前二項の規定により使用させ、又は貸し付けた財産の使用料又は賃貸料を徴収することができる。

4 前項の使用料又は賃貸料は、組合の収入とする。

(財産の付加)

第十一条 組合において付加した財産の所属は、組合が県及び市と協議して定める。

(財産の処分)

第十二条 県又は市は、組合に貸付した財産を組合の同意を得て処分することができる。

2 組合は、県又は市から貸付を受けた財産で、その必要がなくなつたときは、県又は市にその旨を通知する。

3 県又は市において第一項により財産の処分をして得た金額は、組合に債務(第八条の規定により県又は市からそれぞれ承継した債務をいう。)があるときは、その償還額に達するまで、組合の経費に組み入れるものとする。

(剰余金の処分)

第十三条 組合は、毎会計年度の事業決算において剰余金を生じたときは、次の準備金を積み立てるものとする。

 負債償還準備金

 資産償却準備金

 経費引当準備金

2 前項による準備金の積立の必要がなくなつたときは、県及び市の貸付財産の現在額(第八条の規定により承継した債務の残額を差し引いた額とする。)及び組合経費の負担額との合計額の割合によつて県及び市へそれぞれ納付するものとする。

(組合解散の場合における財産処分)

第十四条 組合解散の場合は、組合は、県又は市から貸付を受けた財産を県又は市に返還するものとする。

2 第七条第一項の規定により県又は市から譲与した財産及び組合設立後組合において取得した財産は、県又は市からの貸付財産の現在額(第八条の規定により承継した債務の残額を差し引いた額とする。)と組合経費の負担額との合計額の割合により県及び市が取得するものとする。

3 組合解散の場合において債務があるときは、組合成立前に県又は市に帰属していた債務は、それぞれこれを引き継ぎ、その他の債務は、県及び市が等分に引き継ぐものとする。

4 組合解散の場合において剰余金があるときは、県及び市が協議の上処分するものとする。

(評価委員会)

第十五条 第七条第一項の規定により、県及び市が組合に貸付又は譲与した財産については、知事及び市長が協議して設置する評価委員会において、組合設立の日を基準として評価額を定めるものとする。

第三章 雑則

(組合の起債)

第十六条 組合は、あらかじめ県及び市の議会の同意を得た年間の起債総額を超えて起債しようとするときは、その超える額について県及び市の議会の同意を得なければならない。

(補則)

第十七条 この協定の実施の細目については、知事、市長及び組合管理者が協議して定める。

(協定の効力発生の時期)

第十八条 この協定は、昭和二十六年九月八日から効力を生ずるものとする。

右協定締結の証として本書三通を作成して各自一通を保管するものとする。

昭和二十六年九月十三日

愛知県知事 桑原幹根

名古屋市長 塚本 三

名古屋港管理組合管理者愛知県知事 桑原幹根

(別冊略)

名古屋港管理組合の設立に伴う協定

 種別なし

(平成11年1月1日施行)